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今回の作品は
「世界一のジャズプレイヤーになる!」無謀とも言える夢に少年は真正面から向かい合う!
「BLUE GIANT」
作者: 石塚真一
出版社 小学館
ジャンル 青年マンガ
掲載誌 ビッグコミック
ブルージャイアントがおもしろい!原作を解説!
(アル/BLUE GIANT / 作者・石塚真一/ 小学館)
「BLUE GIANT とは」
2013年10号~2016年17号まで「ビッグコミック」(小学館)で連載された。
2015年「マンガ大賞」第5位
2016年「マンガ大賞」第3位
2017年第62回「小学館漫画賞」一般部門受賞
第20回「文化庁メディア芸術祭」マンガ部門大賞受賞
2022年6月時点でコミックス累計発行部数は840万部を突破。
宮崎県に住む高校生の少年が世界一のジャズ演奏者になる為に、夢に向かって進む姿を描いた音楽作品。
第1部「BLUE GIANT」
第2部「BLUE GIANT SUPREME」
第3部「BLUE GIANT EXPLORER」
に分かれており本記事では第1部を紹介執筆している。
「あらすじ」
宮崎県仙台市に住む高校生「宮内 大」
将来の夢や目標も特になくごく平凡な高校生活を送っていた。
ある日、たまたま聴いたジャズの曲に興味が惹かれ、初めて訪れたライブハウスでジャズの演奏を目の当たりにする。
その演奏に感銘を受けた大はジャズプレイヤーを目指すことを決意する。
大はサックスを購入する為にアルバイトを始めるがなかなかお金が貯まらなかったが、それを知った大の兄「雅之」がローンでサックスを購入し大にプレゼントした。
それから毎日学校帰りの河原でサックスの練習をする大は、リード購入の時に立ち寄った店で知り合った楽器屋の店主からライブ出演の依頼を受け、小さなジャズバーの出演バンドにゲストとして参加するが、常連客からは「音がうるさいだけ」と罵声を浴びせられ、全く演奏になっていない自分のレベルに落胆しステージを降りる。
その後も日課である練習は続ける中で、大が出演したジャズバーのマスターから音楽教室の講師である「由井」を紹介される。
大の拙い演奏にいろいろダメ出しするも、次回からレッスンに来いと言われた大は快諾し、教室に通い続けた。
それから大の演奏は力強さが増し、繊細なテクニックも向上していった。
そしてサックスプレイヤーになる為に、高校卒業後は上京すると決めた大は上京する前に、初めて立ったステージで罵声を浴びせた常連客を再び集め、彼らの前で再び演奏を聴かせる。
「登場人物」
宮本 大 (みやもと だい)
本作の主人公。宮崎県仙台市出身。
ジャズサックスプレイヤーを目指す高校生。
情に厚く真っすぐな性格。
おおらかで何事もポジティブに考えるタイプ。
音楽の知識など全くなかったが、中学の卒業記念に友人に連れてこられたジャズ喫茶で生演奏を聴いたことをきっかけにジャズにのめり込んでいく。
その後、高校に入学してから学校の帰りに河原の土手を練習場にして、毎日テナーサックスの練習に励む。
高校卒業後の進路を見い出せないでいたが、高校三年生でバスケ部を引退した後、本格的にジャズサックスプレイヤーを目指すことになる。
音楽講師である「由井」の下でテナーサックスを学び、その後上京を決意する。
バスケ部で培った体力と河原で練習し続けて得た肺活量が大きな武器。
テクニックは粗削りな部分が多いが、情熱に溢れる大音量での演奏で聴く人を魅了していく。
近藤 周平 (こんどう しゅうへい)
大の中学時代の同級生。
大がジャズを好きになるきっかけを作った人物。
エレキギターが趣味でロックに傾倒していく中でジャズにも興味を持つようになる。
子供のころはクラシックピアノを習っていた。
大学医学部を受験する為、大とは別の高校に進み、勉強に専念するためピアノもやめる。
カナピー
大と同じ高校の同級生。
大が河原で練習しているのを耳にして、女友達と一緒に大をからかう。
仲の良い女友達より胸が小さいことを気にしている。
小熊 (こぐま)
仙台市にある楽器店「ひろせ楽器」に勤める男性。
白髪交じりの短髪と口ひげを蓄えた男性。
大がテナーサックスのリード買うために店に通うのを見て興味を持ち、雨の日の練習場所を紹介するなどアドバイスを送る。
大に「JAZZ BAR Bird」での初ライブを持ち掛けた人物。
入江 (いりえ)
大と同じ高校の同級生。
軽音部に所属しエレキギターを担当している。ロン毛が特徴的。
ロック至上主義でジャズを「気取った音楽」とバカにしている。
ことあるごとにサックスプレイヤーの大を挑発する。
織田所長 (おだしょちょう)
大が資金集めの為にアルバイトをしているガソリンスタンドの所長。熟練の自動車整備の技術を持ち大からも尊敬されている。
宮本大の父 (みやもとだいのちち)
食品スーパーに勤務している。
妻を亡くしてから大と兄の「雅之」妹の「彩香」の3人を男手ひとつで育ててきた。
側から見ると放任主義のようにも見えるが、子供達の自由性を尊重する寡黙で男らしい性格をしている。
大がおそるおそる「ジャズプレイヤーになりたい」という夢を話した時も「とことんやれ」と即答した。
宮本 雅之 (みやもと まさゆき)
宮本家長男。大の3つ歳上の兄。
高校卒業後、仙台化学工業に就職してからは家を出て一人暮らしをしている。
しっかり者で母が亡くなってからは父の代わりに大や彩香の面倒を見る保護者の役割もしている。
初任給で51万円(ローンで)のテナーサックスを大に贈った。
宮本 彩花 (みやもと あやか)
大の6つ歳下の妹。小学校6年生。
活発な少女。
雅之の事は「でっかいお兄ちゃん」大の事を「ちっちゃいお兄ちゃん」と呼んでいる。
大とは喧嘩する事が多い。
由井 (ゆい)
バークリー音楽院出身のジャズミュージシャンの男性。
見てくれは飲んだくれている冴えないおじさん。
自宅で音楽教室を開いており講師を務め、大にテナーサックスを師事した恩師でもある。
「おもしろい」という理由で大からはレッスン料を受け取らず教えている。
ジャズ好きな父親の影響でジャズサックスプレイヤーを目指し、幼少時からピアノとサックスを習ってきた。
バークリー音楽院へ留学したが一流のジャズプレイヤーにはなれず、現在はステージから離れている。
沢辺 雪祈 (さわべ ゆきのり)
大と同じ歳のジャズピアニストの男性。
上から目線で話す事が多く何かと気取って見られがち。
上京したばかりの大と東京のジャズバーで出会いジャズバンド「JASS」を結成する。
母親がピアノ教室を経営していた事から4歳からピアノを習い、小学生からジャズを始める。
「才能ある者同士が互いを踏み台にして才能を伸ばすのがジャズ」という自論を持っている。
「感想」
ジャズの演奏の音が聴こえてくるよう
高校生の主人公「宮本大」が世界一のサックスプレイヤーを目指すという音楽漫画のサクセスストーリーです。
音楽漫画といえばどこかスタイリッシュでカッコいいイメージが先行するかもしれませんが、この作品はそれとは対照的に熱く、泥臭く描いています。
だからこそ読み手にリアルに伝わってくるのだと思いました。
そして主人公の大がこれほどかと言うほどひたむきで、壁にぶつかりながらも真摯にジャズと向き合っていきます。
その姿がもはや愛おしくなり応援せずにはいられないです。
大は本当にカッコいい!
冒頭でも記しましたが、漫画で楽器の音や音圧を表現するのは本当に難しいと思うのですが、絵を通して音が聴こえてくるような感覚になります。
作者の技量に圧倒されました。
本作品を読んだ後は生のジャズの演奏が聴いてみたいと思わせてくれます★
今回は「マンガ大賞ノミネート」作品
「BLUE GIANT」
を紹介しました。
最後までお読みいただきありがとうございました★