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今回の作品は
生まれる生命の力強さに感動…!「多くの人に読んでほしい」大反響作品!
「透明なゆりかご -産婦人科医院看護師見習い日記-」
(アル/透明なゆりかご~産婦人科医院看護師見習い日記~ / 作者・沖田×華/ 講談社 )
作者: 沖田×華
出版社 講談社
ジャンル 少女マンガ
掲載誌 Kiss
透明なゆりかご あらすじと登場人物
「透明なゆりかご~産婦人科医院看護師見習い日記~ とは」
2014年1月号〜「Kiss Plus」で連載をスタートし、同誌が2014年3月号に休刊したことにより第3話より連載が「ハツキス」に移され、2014年7月号〜不定期で32号まで不定期で連載された。
2017年「このマンガがすごい!」女編 第6位
2018年第42回「講談社漫画賞」少女部門受賞。
本作品の作者である沖田が高校時代に勤めていた産婦人科の見習い看護師の体験を通じて、生まれてくる生命の重さや大切さを知った実体験を元に描かれたエッセイ。
「あらすじ」
時代は1997年。
女子高の看護学校に通う沖田✖️華は、まだ資格も何も取れていないのに母親の強引な勧めで産婦人科医院のクリニックでアルバイトを始める事になる。
そのクリニックには、宿った命に希望を持つ人、或いは絶望を持ってしまう人など、様々な事情を抱えて訪れる人々がいた。
✖️華は不器用ながらも、そんな患者一人一人に向き合い、ひとりの人間として懸命に接していく。
そこで小さく幼くとも命の強さを垣間見て、命の尊厳について考えていくようになる。
「概要」
主人公が産婦人科医院に勤務した実体験を元に、産婦人科の残酷な実情や母性について描いている。
元々作者は医療物が好きで、特に妊娠、出産を描いた作品をよく読んでいた。
そこである種の違和感を感じており、それは「様々な困難があったけれど、産んだら幸せになる」という結末の作品が多いことである。
産婦人科は命が生まれるだけの場所ではない。
と幸せな出産の裏側で、静かに進行する妊娠中絶やDV、性虐待といった事例にも焦点を当て産婦人科の光と影を描いている。
「登場人物」
沖田 ×華 (おきた ばっか)
作者本人がモデルのキャラクター。
准看護学校に通い准看護師になるために勉強中の高校三年生の女子生徒。
母親からの勧めで近所の産婦人科に准看護師見習いとしてアルバイトをすることになる。
多岐に渡る産婦人科の仕事内容を失敗しながらも、きちんと正面から受け止め一人一人の患者さんに心のこもった対応を重ねていく。
小学生の頃、ひらがなや算数を覚えるのが苦手で母から虐待を受けていた。
集団行動も苦手で学校でいじめにも遭い、辛い幼少期を送っていた過去がある。
看護師の資格は取得するが、後に漫画家となる。
下崎 賢一郎 (しもざき けんいちろう)
☓華の勤める産婦人科医院の院長。37歳。男性。
体育会系の見た目をしており、医者のイメージとは程遠い活発で豪快な性格をしている。
明るく裏表のない性格をしておりスタッフや妊産婦からも慕われている。
6人の子供がおり、全て自分が取り上げた。
自分の子供たちで野球チームを作るのが夢である。
丸山 (まるやま)
☓華が病院実習に通っていた総合病院のICU(新生児集中管理治療室)の看護師。
30歳。女性。
20代で主任となり現場を取り仕切っているやり手の看護師である。
いつも朗らかで優しく、実習にくる研修生たちにも親身に接している。
以前、小児外科で勤務していたとき毎日のように子供が亡くなる日が続き、ノイローゼになって倒れたことがある。
田中 良子
第2話「野良妊婦」に登場。
健康保険証も母子手帳も持っていない妊婦。
☓華が勤めている産婦人科に分娩のためかけこみで訪れた。
翌日に男児を出産。
自分自身が糖尿病であることから、生まれた子供も「新生児糖尿病」を患っている。
不倫の末、誰にも知られずに出産した。
静 (しず)
第3話「保育器の子」に登場。新生児の女の子。
☓華が勤めている産婦人科の前に、バスタオルにくるまれた状態で捨てられていた。
一時的に呼び名が必要ということになり、大人しい子であった為「静」と名付けられた。
女子高生 (じょしこうせい)
第3話「保育器の子」に登場。静を産んだ女子高生。
☓華が勤める産婦人科の前に、出産直後の静をバスタオルにくるみ紙袋に入れて捨てた。
その後、母体の状態が悪く貧血が続いていた。
それを心配した両親が病院に連れていき、そこで産後であることが発覚した。
両親と一緒にクリニックを訪れ、静と再会する。
「感想」
産婦人科の表と裏
この作品は、一般的にはおめでたいとされる出産(生命の誕生)という事の光と闇を描いたような作品です。
准看護師を目指し産婦人科で働く(アルバイト)主人公の沖田さんの、クリニックで起こった様々な体験を元に作られています。
そこには嬉しいこと、幸せなこと、おめでたいことだけではなくて、中絶や流産など悲しいことや残酷な現実も丁寧に描かれています。
読んでいて嬉しい涙も出れば、悲しい涙も出ます。胸が締めつけられるような思いになります。
誰しもが幸せな妊娠出産が出来るわけではない、辛い現実を背負う人も多くいる。
産婦人科は命が誕生する幸せな場所だけではない「現実」を見ます。
命が生まれる場所は、命が消えていく場所でもありました。
重たい話が多いかもしれませんが、命についてより深く考えるようになりました。
年齢•男女問わず多くの方に読んでいただきたい作品です。
今回は「このマンガがスゴイ!」受賞作品
「透明なゆりかご~産婦人科医院看護師見習い日記~」
を紹介しました。
最後までお読みいただきありがとうございました★