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東京ヒゴロ 漫画・あらすじや感想を解説

著者/リユ(同人誌ブロガー)

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今回紹介する作品は

夢見る頃を過ぎた漫画編集者 夢をもう一度

「東京ヒゴロ」

作者: 松本 大洋

出版社 小学館

ジャンル 青年マンガ

掲載誌 ビッグコミックオリジナル

東京ヒゴロ 漫画・あらすじや感想を解説

(アル/ 東京ヒゴロ/ 作者・松本大洋/  小学館)

「東京ヒゴロ とは」

2019年7月号より「ビッグコミックオリジナル」で連載がスタート

2020年「このマンガがすごい!」男編 第5位

大手の出版社を退職した男が、再び理想のコミック誌を作る為に残りの人生を懸けて奔走するヒューマンドラマ。

 

「あらすじ」

出版社で漫画の編集者として、役30年間務めてきた主人公「塩澤 和夫」は、自分が立ち上げた雑誌の廃刊の責任を取る為に出版社を退職することを決意。

 

漫画業界から一旦は離れた塩澤であったが、担当していた作家「みやざき長作」に様々なアドバイスをしたり、編集者の後輩にあたる「林りりこ」の仕事の相談に乗ったりしていた。

やがて完全に「漫画」と決別すると決めた塩澤は、大量のマンガを処分する為に古書店に連絡する。

 

漫画を入れたダンボールを運んでいる途中、手を滑らせ床に漫画本を散らかしてしまう。しかしその散らかった漫画を見て処分することを中止した。

やはり自分にとって漫画が無い人生は考えられなかったのだ。

 

それからしばらく経って、塩澤は自分が駆け出しの頃に初めて担当した作家である「立花 礼子」の葬儀に出席した。

葬儀が終わってから、生前の立花の仕事部屋に通された塩澤は、亡くなった立花と会話を交わすことに。立花は人気絶頂だった当時、本当は描くことが苦しかったのだ。

 

それから自分が描きたいものしか描かないと決めたのだが、作品は全く売れなくなってしまった。

それでも塩澤は担当を離れてからも、立花の作品を応援し感想を送り続けていた。

 

塩澤と組んで、もう一度漫画を描きたかった立花は「人は誰でもいつか死んでしますよ」と言う。

立花の家を後にした塩澤は、そのまま長作の元を訪ね漫画の執筆を依頼する。

 

もう一度コミック雑誌を制作したいと決心した塩澤は、退職金を活用し理想とするコミック誌を作る為に、自分が信じている作家たちに執筆の協力を願いまわるのだった。

「登場人物」

塩澤 和夫 (しおざわ かずお)

大手の出版社と言われる「小学社」を早期に退職した元漫画編集者。

年齢は50歳前後、短髪に黒縁メガネをかけている。

 

真面目な性格で感情が表にあまり出なく冷たく見える。

漫画編集の仕事を30年続けてきたが、自分が立ち上げた雑誌が廃刊になってしまい責任を感じて退職の道を選んだ。

以降漫画に関わることをやめようとするが、やはりその情熱は捨てることはできず、退職金を使い自分の理想とする漫画雑誌を作るために奔走していく。

 

みやざき 長作 (みやざき ちょうさく)

塩澤が担当していたベテランの漫画家。頭はスキンヘッドで体型は太りぎみ。

過去に塩澤に自分の作品が「空っぽ」だと言われたことがあって自分でもそのことは自覚している。

 

青木 収 (あおき しゅう)

塩澤が担当していた漫画家の一人。長い髪に無精ひげを生やす。

塩澤の退職に伴って、新しく担当となった編集者の「林りりこ」とは関係がうまくいってない。

 

林 りりこ(はやし りりこ)

「小学社」で漫画誌の編集者を務める。髪はセミロングでメガネをかけている女性。

塩澤からの引継ぎで、青木の担当になるが、彼とは話が合わず手を焼いている。

本当は文芸誌を希望しており、漫画にはあまり愛着は無い。

 

嵐山 森 (あらしやま しん)

10年前に引退した元漫画家。引退理由は漫画に嫌気がさしたという。

現在はマンションの管理人をして生計を立てている。塩澤が尊敬し憧れている漫画家であり、塩澤の理想とするコミック誌を制作する為に執筆を頼まれることに。

 

木曽 かおる子 (きそ かおるこ)

元漫画家の女性。おかっぱ頭でメガネをかけている。既婚者で夫と高校生になる子供がいてスーパーでパートをしている。 

塩澤の制作しようとしているコミック誌の為に執筆を依頼され、再び漫画を描くことなる。

 

「感想」

等身大の日常を描く群像劇

 

本当にある日常の風景を切り取って漫画にした様な印象の作品です。

予想を裏切る急な展開やカッコいいセリフが用意されているわけではなく、登場人物達の淡々とした生活を静かに見ているような、そんな感覚になりました。

 

主人公の塩澤さんが、50歳を過ぎても諦められなかった「漫画の夢」は、いち漫画好きとしては本当に応援したくなります。

同時に好きな事を仕事にするのはやはり覚悟も必要だと思いました。

自分の創作物、表現したい事をビジネスとして成立させる事の難しさをひしひしと感じます。

 

また漫画家さんと編集者の方のお話なので、そういった業界の話も知れたりするのも新鮮なところでした。

やはり創作に生きる人々はカッコいいですね★

 

今回は「このマンガがすごい!」受賞作品

「東京ヒゴロ」

を紹介しました。

最後までお読みいただきありがとうございました★

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