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今回の作品は
新聞・雑誌の書評でも大絶賛!全く新しい教師像がここにある…!
「鈴木先生」
(アル/ 鈴木先生/ 作者・武富健治/双葉社 )
作者: 武富 健治
出版社 双葉社
ジャンル 青年マンガ
掲載誌 漫画アクション
鈴木先生が面白い!あらすじと感想
「鈴木先生 とは」
2005年13号〜2011年2号まで「漫画アクション」(講談社)で不定期で連載された。
2007年「文化庁メディア芸術祭」マンガ部門優秀賞受賞
2008年「このマンガがすごい!」男編 第9位
中学校教師の鈴木先生が、学校内で起こる小さな問題から大きな問題まで真摯に向き合い、悩みながら成長しいてくヒューマンドラマ作品。
「あらすじ」
中学校で教師を務めている「鈴木先生」は生徒達の心の問題に正面から向き合うことを自身の教育方針として教壇に立っていた。
自分の受け持つクラスや教え子達の周りで起こる小さな出来事から重大な事件まで誠実に、そして情熱的に日々対応している。
「概要•作風」
中学校を舞台にしており、給食のマナー問題や、性教育、同僚教師達との諍い、生徒同士のトラブルなどを細かく執拗に描いた表現方法が強い特長となっている。
作中でときおり登場する学級会議での生徒同士の討論シーンは、まさに裁判を見ているようで各々の立場から見解を述べるシーンが延々と続く手法は他の教師が主人公の学園ものとは一線を画す作品となっている。
合わせて中学生特有の利己主義的なキャラクターも多くて登場し、子供特有の狡猾さなども巧みに表現されている。
「登場人物」
鈴木 先生
本作の主人公。中学校教師で担当教科は国語。
クラスは2年A組を担当。
図書委員会の顧問も務めている。
メガネとループタイがトレードマーク。
大学卒業後3年間は無職であったが、その間に教師になった時に起こる問題をシュミレーションしており、解決方法なども考えていた。
そのおかげで教師になった今も問題処理能力は高く、校長先生からの信頼も厚い。
ただ自分の問題処理能力のキャパを超えると、大量に汗をかき、冷静さを失う一面もある。
生徒からの人気も高く人気投票でも堂々の1位、だが人気の裏返しがワースト部門で3位になっている。
「問題児」にかかりきりで「普通の子」をないがしろにする学校教育に疑問を抱き、生徒全員を平等に向き合う事を信条としている。
プライベートでは春休みの間に行った合コンで知り合った「秦 麻美」という恋人がいる。
小川 蘇美(おがわ そみ)
2年A組の生徒。
黒髪ボブヘアのクールビューティーな美少女。
言葉数は少ないが自分の意見はっきり言うタイプ。周りに流されない強さを持っていることから他の生徒達の評判も良い。
同級生にも好意を抱いている者も多く鈴木先生も彼女のファンである。
家族間の仲も良く、母親の言いつけ通りに服を着たり、両親の事を「父ちゃん」「母ちゃん」と読んでいる。
秦 麻美(はた あさみ)
鈴木先生の恋人。年齢は鈴木先生のひとつ下。
鈴木先生の同僚の山崎先生が主催した合コンで知り合った。
鈴木先生からは学校であった問題や悩み事を聞いてあげて相談に乗っており、彼の癒し的存在である。
また祖母譲りの特殊能力を持っており、鈴木先生が見た夢の内容を言い当てたり、生霊をとばしたりできる。
その能力を使うとしばらくの間、メンタルに影響が出て情緒不安定となる。
出水 正 (いずみ ただし)
2年A組の生徒。
キツい目つきに太い眉毛が特徴的な男子生徒。
両親は学者であり、教育やしつけが非常によく行き届いた家庭に育ち、本人の成績も良く真面目な生徒である。
小川蘇美に想いを寄せている。
中村 加奈 (なかむら かな)
2年A組の生徒。黒髪のツインテールが特長。
正義感が強く女子の中でもリーダー的存在。
勝ち気な性格でそれが行き過ぎると周りに迷惑をかけることもあり、教師から見ると少し厄介な部分もある。
顔はかわいいので男子からよくモテる。
しかし本人は鈍感なので相手の気持ちは告白されるまで全く気づかない。
本人は密かに鈴木先生に想いを寄せている。
樺山 あきら (かばやま あきら)
2年A組の生徒。少しポッチャリ体型の女子。
給食のおかわりを男子生徒と競い合う。
酢豚が大好物で給食のメニューから外される事に反対している。
ガサツな性格にも関わらず、正反対な小川蘇美とは気が合う模様。
横関 (よこぜき)
2年A組の生徒。
なぜか樺山あきらと共に給食のおかわりを競っている。
小川蘇美に想いを寄せている一人。
告白してフラれた事を鈴木先生に打ち明ける。
岬 勇気 (みさき ゆうき)
2年A組の生徒。
考えが非常に大人びており、早熟している男子生徒。その言動には鈴木先生も驚愕するほど。
親友の小学4年生の妹と付き合い性的関係を結ぶが、その事が公にバレてしまい問題となる。
河辺 彩香 (かわべ あやか)
2年A組の生徒。
中学1年生の時、岬勇気と付き合い性的関係まで結ぶがその後に破局する。
性に関して奔放でいろんな男性と性的関係を持つようになる。
男性に対して甘いところがあり、交際に関しても時間さえかぶっていなければ問題ないという考えを持っている。
姉が風俗店に勤めており、母親も自由奔放で放任主義である。
神田 マリ (かんだ まり)
2年B組の生徒。バレー部所属。
潔癖症で男性嫌いな傾向がある。
河辺彩香とは親友ではあったが、自由奔放に男性経験を重ねる彩香とは価値観が合わなくなり、後に絶好状態となる。
他人を貶める為に悪知恵が働き、非常に狡猾な性格。
「感想」
教師とて何も完璧ではない
中学校を舞台にした学園ものです。
掃除当番や給食についてなどの身近な問題から、喫煙や性、いじめ、ひきこもりといった社会問題に至るまで幅広いテーマを、中学生の日常を通して扱っています。
学園ものと言えば、行動力溢れるすごい先生が正面から問題にぶつかって、どんどん解決していくような勧善懲悪のイメージが先行しますが、この鈴木先生は非常にリアルで人間味があってキャラに深みが感じられます。
大人や教師にもダメなところはたくさんあって、それでも自分の役割を自覚し問題に向き合っていく姿に共感する方も多いと思います。
鈴木先生も教師という顔の裏で、中々気持ち悪いことも考えたりしてますが結局人間ってそんなもんですよねって思います。
作中で鈴木先生が出した結論が常に正しいわけではなく、どんな小さな事にも論理的に考え自分の意見を持つ。そして相手の意見を尊重し議論を交わす。
このことの大切さを伝えようとしているのではと感じました。
「新しい視点の漫画」と評されていますが、まさにそうだと思います。
人の不完全さについても深く考えさせられるようになりました。
今回は「このマンガがスゴイ!」受賞作品
「鈴木先生」
を紹介しました。
最後までお読みいただきありがとうございました★