「おもしろい漫画が読みたい!」
「おもしろい漫画ってどこにあるの?」
なんて思った人にお伝えします。
その答えはタイトルを受賞した作品をチェックすれば間違いありません!
「このマンガがスゴイ!」を受賞した作品を紹介するシリーズ
この記事を読めばおもしろい漫画に辿り着けます★
今回の作品は
「紳士淑女の皆さん!摩訶不思議な世界をご覧にいれましょう!」
「ファンタジウム」
作者: 杉本 亜未
出版社 ナンバーナイン
ジャンル 青年マンガ
ファンタジウム 漫画を解説!
(アル/ ファンタジウム/ 作者・杉本 亜未/ ナンバーナイン)
「ファンタジウム とは」
2006年講談社の「モーニング2」1号から連載が開始され、途中から「Dモーニング」にてWeb配信限定で2014年12月まで連載された。
2009年「このマンガがスゴイ!」男編 第9位
「難読症」でありながら、天才的なマジックの才能を持つ少年「長見 良」の自由に生きる姿を描いた作品。
「あらすじ」
マジシャン「北条 龍五郎」を祖父に持ち、ソシオセキュリティ(警備会社)に勤務する営業社員「北条 英明」は、幼い頃、魔法使いになるのが夢だった。
ある日、営業先の横浜に出向いたとき、非合法のカジノの現場を目撃する。
その中では小柄な少年が、絶妙のハンドマジックを駆使し、大人たちからお金を巻き上げていた。
驚いた英明は彼の素性を調べてみると、彼は自分の祖父・龍五郎からマジックの手ほどきを受けていたことが発覚する。
少年の名前は「長見 良」
彼は先天性の「難読症」を患っており、学校生活もうまくいかず家出をし、非合法カジノで身銭を稼いでいたのだった。
英明は祖父・龍五郎が「長見 良」に自分の想いと未来を託したことを悟り、彼を一流のマジシャンにするべく、その道で世界を目指すことを決意する。
「登場人物」
長見 良 (ながみ りょう)
本作の主人公。
マジックを操る小柄な少年。14歳。
幼い頃、公園でマジシャン「北条 龍五郎」に見いだされマジックの手ほどきを受ける。
少年ながら大きな手を活かした並外れたマジックのテクニックを持っており、客をよく観察し、技のバリエーションを自在に変化させる応用力もある。
またマジックに合わせたトークも軽快にこなすなど、エンターテイナーの素質を大きく秘めている。
非合法カジノで代打ちをしていたところを「北条英明」と出会い、彼をマネージャーとして世界で通用する一流のマジシャンになる事を目指す。
先天性の「難読症」を持っているため学校には馴染めなかった。
年齢の割に達観したような発言をすることが多い。
北條 英明 (ほうじょう ひであき)
ソシオセキュリティという警備会社の営業職員。
マジシャン「北条 龍五郎」を祖父に持ち、子供の頃は祖父のような「魔法使い」になるのが夢だった。
営業先の非合法カジノで「長見 良」と出会い、彼が魅せるカードマジックに興味を持ち、祖父との関係を悟り、彼を一流のマジシャンにするべく(半ば強引に)マネージャー兼相棒となる。
仕事の合間を縫って良のマネジメント業務を行い、時には失敗し彼と衝突するも、良と共に成長していく。
北條 龍五郎 (ほうじょう りゅうごろう)
英明の祖父でマジシャン。丸い眼鏡が特徴的。
物語開始時点ではすでに亡くなっている。
公園で出会ったまだ幼い良にマジックを教え込む。
他にも賭け事やイカサマ技術までも仕込んでいた。
矢口 茂 (やぐち しげる)
マジックショップ「ティンダーボックス」の店主。
気難しい性格をしているが、マジックを愛する人間には快く接する。
マジック業界に詳しく、かつてはマジシャンとしてステージに立っていたこともあった。
小沢 勝利 (おざわ かつとし)
マジックスクールの教師。
AMCマジックコンベンションに弟子の「星野拓夢」と現れ、良のマジックテクニックに脅威を感じ注目する。
星野 拓夢 (ほしの ひろむ)
小沢のマジックスクールの秘蔵っ子。
良と同じ14歳。中学2年生。
芸能プロダクションから声がかかっており、テレビにも出たことがある。
AMCマジックコンベンションのステージマジックコンテストに出場する。
サカキシン
テレビによく出ている超能力者。
「真実のスピリットリーダー」と言われている。
超能力でゲストの心を読み取ったり、不思議な現象を起こしたりとエンターテイメントを見せる。
幼い頃に北条龍五郎と因縁がある。
山口 忍 (やまぐち しのぶ)
エンターテイメント集団「KOM」メンバー。
少年のような見た目の女の子のマジシャン
世界の舞台を夢見てマジックのオリンピックといわれる「FISM(マジック協会国際連合)」への出場を目指している。
良には厳しく接する。
「感想」
マジックを通して伝わる生きる事の難しさ
マジシャンの夢を諦めたサラリーマンと、天才的なマジックの腕を持つ少年がタッグを組み、世界へ羽ばたこうとするお話しです。
ポイントなのは主人公の少年「長見 良」が難読症という障害を持っていること。
障害に負けじと目標に向かって頑張る。
という単純な内容ではなく、難読症を抱えている事によって周りから誤解されたり、あるいは弾き出されてしまったり。
良の心情描写と共に難読症という病気の事を細かく伝えていると思いました。
14歳にして辛い経験をしてきた良は大人びた対応をしますが、時折見せる中学生らしい部分を見るとなんとも言えない感情になります。
難読症のせいでずっと孤立していた良が英明との出会いを経て、マジックという「言葉が要らない力」を使い社会と繋がっていこうとする姿に心を打たれます。
またマジックシーンの描写も美しく、物語の運び方も丁寧。
周りのキャラクター達にも積み上げられた物語背景があり感動を誘います。
自分のステータスを受け入れて、自らの生き方を模索しながら進み続ける。そんな印象を受ける名作だと思います★
今回は「このマンガがスゴイ!」受賞作品
「ファンタジウム」
を紹介しました。
最後までお読みいただきありがとうございました★