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鮭とごぼうの炊き込みごはん、いわしの梅煮、たけのこと、がんもとこんにゃくの煮物とそれから…etc
「きのう何食べた?」
(アル/ きのう何食べた?/ 作者・よしながふみ/ 講談社)
作者 : よしながふみ
出版社 講談社
ジャンル 青年マンガ
掲載誌 モーニング
きのう何食べた? あらすじ・感想
目次
「きのう何食べた? とは」
2007年12月号より「モーニング」(講談社)にて月に1度のペースで連載がスタート。
2009年「このマンガがすごい!」男編 第6位
テレビドラマ
2019年4月〜2019年6月の間にテレビ東京系「ドラマ24」で放送される。
実写映画
2021年11月より劇場版が公開
几帳面な弁護士の男と、人当たりの良い美容師の男の2人が2LDKのアパートで暮らす毎日を、食生活メインで展開する物語。
主人公2人はゲイのカップルであり、ゲイが抱える諸事情やゲイの息子とその両親がどう向き合うかなども描かれている。
基本的には毎回一話読み切りである。
「あらすじ」
「シロさん」こと「筧史朗」と「ケンジ」こと「矢吹賢二」の2人は、史朗の部屋で同棲するゲイカップルである。
ゲイであることを隠しながら弁護士として働く史朗は、慎ましくストイックな倹約家である。
一方で男前の見掛けによらず優柔不断な一面も持っていた。
将来に備えた家計管理の一つとして2人分の食費を月2万5千円に収める事を目標にしながらも、仕事は最小限にして、定時で切り上げてまで2人の食事をつくることに喜びを感じている。
一方でゲイであることを隠さず美容師として働く賢二は、自分の「愛」に一途なロマンティストでありながら見た目に反して自分に厳しい一面も持っている。
そんな2人が、お互いの価値観の違いやゲイカップルである事ゆえの葛藤と向き合いながら、2人で一緒にいることの意味を確かめ合って絆を深める姿を「食」を通して紡ぐ物語である。
「登場人物」
筧史朗(かけい しろう)
本作の主人公の一人。ゲイ。43歳。
弁護士。
賢二からの愛称は「シロさん」
40歳の時、新宿二丁目の店で知り合った賢二と、賢二が勤める美容院で客として再会し、何度かデートらしき物を重ねるうちに恋人同士になり同棲を始める。
史朗からすると賢二はまったく好みのタイプではなく、今まで付き合ったタイプは賢二とは正反対の男ばかりと突っ込まれたことも。
史朗は好みのタイプの男性には不満があっても言えず、むしろ何でも言うことを聞いてしまう性格だが、賢二は好みのタイプではないが、言いたいことを遠慮なく言える関係を築いている。
ゲイであることをカミングアウトしていないため、職場の面々には「彼女がいる」と思われている。
仕事にはやりがいを求めず、帰宅後や休日に自宅でバランスの良い食事を作ることを楽しみにしている。
几帳面な性格で、毎日家計簿をつけて浮いた予算は貯金する倹約家。
近隣のスーパーの底値を把握しており家計をやりくりしている。
太らない努力をしているため、年齢に似合わず若々しくイケメンである。
矢吹賢二(やぶき けんじ)
本作の主人公の一人。ゲイ。41歳。
美容師。
史朗の恋人で、史朗のことを「シロさん」と呼ぶ。
焼きもちやきで、史朗が女性の悪口を言っていると内心喜んでいる。
ピンク色が好きだったり、細やかな気遣いができたりと、ゲイらしい趣向の持ち主。
また、芸能人では女性アイドル好きの史朗とは反対で、ジャニーズを始めとした可愛い男の子が好き。
本来尽くすタイプなのだが、史朗は例外で自分で何でもできてしまうとのことで、史朗が風邪を引いた際には張り切って看病したりする。
同棲しているマンションの家賃はきっちり折半で史朗に払っているが、事故物件であることを聞かされた際は霊感があるらしくかなり怖がっている。
美容師をしており、美容学校時代の同級生が店長をしている美容室に勤めている。
美容師としての実力は人並みだが、明るい性格で非常に人当たりが良く、どんな客でも器用にさばけるため、面倒な客の対応に当たる役を担っている。
筧久栄(かけい ひさえ)
史朗の母。76歳。
史朗のことを「史朗さん」と呼んでいる。
少し極端な性格で、一人息子の史朗がゲイであることを知った時はショックのあまり新興宗教に走ってしまい、「史朗が結婚して子供ができるように」といくつもの宗教に入信した。
その後、史朗と夫・悟朗の尽力で脱会したものの、強引な勧誘が原因で悟朗側の親戚や実の妹の美沙江と絶縁するハメになった。
筧悟朗(かけい ごろう)
史朗の父。
物静かで史朗のことは温かく見守っているが、やはりゲイを理解できているわけではない。
賢二を実家に招いた際、賢二がスーツを着てるのを見て「君がスーツを着てきたってことは史朗は家で女装をしているのか?」と聞くなど根本的にゲイのことを勘違いしている。
賢二は「史朗さんは女装したことありませんよ」とだけ返したため、それを伝え聞いた妻ともども「賢二が女装している」と思っている様子。
普段は温和な性格だが、時に目をカッと見開いて史朗に激高することもある。
上町美江(うえまち よしえ)
名称が「上町法律事務所」だった時からの女性所長で、倒産法のエキスパート。
職員たちや志乃の両親に「大先生(おおせんせい)」と呼ばれている。
夫(和臣)も弁護士だったが、一緒に事務所を立ち上げてすぐにクモ膜下出血で亡くなってしまう。
以降は弁護士として働き、一人息子の修を女手ひとつで育てあげた。
そのため、修や嫁の春菜本人達に滅多に口出しをしないが、春菜が専業主婦で修が家の事を任せきりなことに少々がっかりしている
上町修(うえまち おさむ)
大先生の息子で史朗の同僚。
「修先生(おさむせんせい)」「若先生(わかせんせい)」とも呼ばれている。
既婚で専業主婦の妻(春菜)と2人の子供がいる。
かつてはスリムな体型だったが、結婚してからは家のことは春菜に任せきりにし、暴飲暴食がたたって太ってきている。
大先生と同様に民事再生や破産法に長けているが、殺人事件を担当してからは刑事事件に熱を入れるようになっているので、大先生からは「やりがいをみつけたのは良いが、稼ぐための仕事と自分の趣味とのバランスを取ってもらいたい」と思われている。
片岡志乃(かたおか しの)
史朗の職場の事務員。26歳。
老舗洋食屋「小山軒」の二代目オーナー夫妻の一人娘。
小山軒はかつては支店を増やしすぎたことが原因で多額の負債を抱えて倒産寸前だったが、上町法律事務所の尽力により回避する。
だが借金は残っていたため、志乃も返済の手助けをするために高校卒業後に就職した。
言葉遣いもしっかりして落ち着いた雰囲気の外見なので年相応に見られず、高校生時代のあだ名も「ちーママ」だったらしい。
携帯電話でメールを打つのが非常に速かったり、食欲旺盛で油っこいものを好んだりと、今時の若者らしい一面もある。
老け顔が悩みのため年齢の割に若く見える史朗をあまり良く思ってない。
「感想」
料理を通して伝わる幸せのかたち
弁護士「シロさん」と美容師「ケンジ」
そんな2人が生きていく上で大切な食生活を軸に、同性カップルの日常を描いた作品。
2人の主人公で、ゲイカップルであり、2人の恋愛模様が描かれているのかと思いきや、この漫画の本質は「料理」ですね。
主人公の1人シロさんこと「筧史郎」は節約家で、無駄遣いをせずに栄養バランスを考えながら毎日の食事をつくっています。
そのシロさんが作る料理のレシピが非常に詳しく描かれており、栄養バランスを考えた食事を作るのにめちゃくちゃ参考にさせてもらえます!
そしてそれを食べるケンジの美味しそうな表情と楽しそうな食レポもまた良いです。
食生活だけでなく同性愛者のリアルな現状も描いています。
カミングアウトに対する2人の考え方の違いや、ゲイの人達のコミュニティに関係するお話も出てきたりします。
また自身の加齢に伴う身体の変化や(病気の)親の介護問題など、誰にでも起こり得ることを淡々と描いていて、そこが本作品の魅力を作っているんだなと感じました。
「食」を通して人の人生を考える。
素晴らしい作品です★
今回は「このマンガがすごい!」受賞作品
「きのう何食べた?」
を紹介しました。
最後までお読みいただきありがとうございました★